気化熱空調の冬の使い道《加湿》
2018年07月
三栄商会は60年、コンプレッサー販売・メンテナンスと共に、ものづくりを全力でサポートもしてきました。
今回は、北陸ワコール縫製様の加湿に関する困りごとを改善した実例をご紹介します。
加湿の困りごと
北陸ワコール縫製様では、ランジェリーやブラジャー製品の縫製をしています。縫製作業というのは、主にミシンを使って、様々な生地や装飾を縫い合わせていく作業です。
冬場は湿度が低く、生地荒れが起こる
縫製される生地は、ある水分量を下回るとミシンの送り歯や針の摩擦で生地荒れが起こります。
冬場は、作業する部屋に暖房をつけているので、乾いた空調の空気が流れ込んできて、湿度が低下してしまいやすい状態でした。また、縫製作業で使われるボビンやミシンの部品は金属が多いため、部屋の湿度が低いと静電気が発生しやすい状況でした。
本格的な加湿器は高い・簡易的な加湿器は効果が出ない
加湿したい部屋の大きさは、22m×18m×天井高2.7mとかなり対象範囲が広いです。
加湿方法は色々な方法がありますが、本格的なものはイニシャルコストも高いうえに、ランニングコストも高い。しかし、簡易的なものだと局所的で効果があまりないという悩みを抱えていました。
気化熱冷風扇風機を導入
夏場、驚くほどたくさん売れた水の気化熱を利用した冷風扇風機を思い出しました。
この気化熱冷風扇風機は本来は工場の暑い作業場で人に涼しい風を出す事を目的にしたものです。
スポットクーラーとは違い、排熱がなく、とても省エネです。
気化熱冷風扇風機
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原理
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風量
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消費電力
電気代はファンを回す電力だけなのでとても安い 50Hz:295W
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ご参考:
おじゃまっテレ ワイド&ニュースで「冷風扇」が紹介されました
仮説
この冷風扇風機は、1日約60L程の水を消費する事を思い出しました。小さい加湿器の何倍も水を出す事となります。また、風量もあるので遠くまで水を飛散させる事も可能で、広範囲まで加湿させることが可能なのではないかと思いました。
価格も73,000円(税抜)と安いです。
デモ(検証)
弊社にデモ機があるので貸出し、まず1台でどうなるかを検証しました。一緒に温湿度計も貸出をして経過観察をしました。
温度 | |
湿度 | |
温湿度計 設置場所 |
効果
今までは湿度35%も行かなかった環境でしたが、湿度40%以上を常に達成するようになり、データ上はかなり効果が表れました。
現場の作業をされている方にお話を聞くと、「生地荒れが起こりにくくなった」、「静電気がなくなった」、「加湿器をつけなくてもよくなった」等の意見を多数いただきました。
感想
まずは、何よりお客様の困り事を解決できてよかったと感じます。弊社は、コンプレッサー販売とメンテナンスを通して信頼を得たお客様から困りごとを相談されます。
この加湿の問題は、どのお客様からも頻繁に聞く課題でしたので、他のお客様にもスピーディーに展開していこうと思います。